amazarashi LIVE 360°「虚無病」を見てきた感想
amazarashiのライブに初めて行ってきた。行ってよかったと思うし、また同様のライブが行われるならぜひ見に行きたいと思う。
どんなライブだったのかは、RO69さん掲載のレポートが詳しい。写真も載っているので、「360°」という名前の所以も伝わると思う。
私はamazarashiの音楽が好きだ。
5年くらい前、TSUTAYAで「アノミー」をジャケ借りしてから聞くようになった。
学生だった私は、卒業制作や進路選択にて迷いを振り切りたいとき、音楽を聞いていた。
amazarashiもその一つで、その頃は「逃避行」「夜の歌」をよく聞いた。
社会に出てからも、つらい時には「雨男」「終わりで始まり」「祈り」「パーフェクトライフ」などの曲をよく聞いた。
幸せ、不安、絶望、をただ歌うんじゃなくて、それも全部受け入れて前に進む(生きる)、みたいなメッセージ性が、胸に刺さった気がする。
「季節は次々死んでいく」がアニメのエンディングテーマになるなど、いつの間にか彼らはメジャーになっていた。
インタビュー記事によれば、デビュー当時と今では生活も状況も変わったらしい。
自分も、この5年くらいの間で良い方向へと変化した(つもりでいる)。
彼らの変化に自分を重ねつつ、集大成と銘打たれたライブをぜひ見てみたいと思って、見に行った。
amazarashiのライブが初めてだった私には、すべてが新しい体験だった。
物語、楽曲、映像。コンテンポラリーダンス、幾何学模様、映し出される歌詞、色彩、自分たちの顔、問いかけ。そうした要素が一気に(交互に)押し寄せてくる感覚は、まさにその場にいないとわからないものだと思う。
特に、物語が良かった。3人の少年少女が、「虚無病」「涅槃原則」を中心とした出来事に立ち向かい、事件に巻き込まれ、それでも進んでいく、というようなストーリー。
アルバム「虚無病」の初回特典に付属しているものと同じ内容だった。
事前に読んだ時は「なんだかショッキングな物語だな」くらいにしか正直思わなかったが、ライブで体感してみると「ああ、まさしくamazarashiの集大成なんだ」と思わずにいられなかった。
そして、未来をあきらめず、現実を直視しながら道を選んで進んでいく少年たちに、自分を投影しながら見ていた。
世の中、社会、環境。逆境の中にあっても、未来に光を、希望を持っているから前に進める。人との出会い、成し遂げたこと、偶然見つけたものがきっかけかもしれない。そんな未来への「期待」を失ったときに、死、またはそれと変わらない状態へと自ら進んでしまうのかもしれない。
物語の中でも、光が射すときと、光が奪われるときが交互に訪れる。
日が沈みまた昇るように 花が散りまた咲くみたいに
全てはめぐりめぐって 全てがほら元通り
もし生まれ変わったらなんて 二度と言わないで
今君は日陰の中にいるだけ ただそれだけ
- 「光、再考」より
雨粒が落ちて アスファルトで弾ける
叶わない願いならいっそ洗い流すか
立ち止まっては悩んで 不安を消しては歩いて
そんな繰り返しで僕等の旅路は続く
その手を伸ばしていてよ その胸が凍えていても
不安の雨の 中で今夜は雨宿りしてさ
- 「夜の歌」より
夜の向こうで何かが待ってて それを照らして スターライト
情熱 希望なんでもいいけど 僕らはここに居ちゃ駄目だ
片道切符は承知だジョバンニ 涙は捨てろ スターライト
きっといい事ばかりじゃないけど だからこそ 僕らは行くんだよ
- 「スターライト」より
聞きながら、自分のことを振り返っている。自分に疑問を投げかけている。そんな音楽ライブは他に体験したことがない。
すべての曲が良かった。日陰の中にいるような曲があるからこそ、日向に出たような曲は鮮やかに感じられた。
演奏が終わり会場をあとにする直前、会場内には「メーデー」が流れたのはなんともamazarashiらしく感じた。
これから先、私に未来を期待させてくれた彼らはどう進んで行くのか。
これからの楽曲も、私の未来も、楽しみだ。
Google Playを使っている人は、プレイリストを作成したのでぜひ聞いてみてほしい。
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