名古屋市科学館にて開催されている特別展「チームラボアイランド 踊る!アート展と、学ぶ!未来の遊園地」を見てきました。
デジタルアート作品で有名・人気なteamLabさん。実際の展示を見たことがなく楽しみにしていましたが、思っていた以上に遊べましたし、後から振り返ると学びも多かったです。
あと遊園地の対象は子どもがメインのようでしたが、一緒に混ざって大人気なく楽しんできました。
展示の様子(踊る!アート展)
花と人、コントロールできないけれども、共に生きる
1時間を通して、1年間の花々が咲いては散り、変化していく。
四季の花が自動で生成され続け、「どこまでが人為的で、どこからが自然なのか」を問いかけるような作品でした。
暗闇の中で光の花が咲き乱れ、散る映像はひたすらに美しかったです。
人が多くてなかなかゆっくりできませんが、時間かけて楽しみたいですね。
Flowers and People, Cannot be Controlled but Live Together – A Whole Year per Hour | teamLab / チームラボ
百年海図巻 アニメーションのジオラマ
ぱっと見、3次元だけど2次元なうねる日本画です。それだけでもおもしろいですが解説によると、上映時間100「年」の映像作品を体感できるような時間に縮めたものだそうです。深い。
クリスタル ユニバース
「遊園地」のあとにある最後の展示。暗幕を抜けると…!
キラキラの幻想的な空間が!
実はアプリとも連携していて、ユーザーが光に変化を与えることもできたようです(人が多くてインストールできずに進んでしまいました…)。
クリスタル ユニバース / Crystal Universe | teamLab / チームラボ
展示の様子(遊ぶ!未来の遊園地)
つくる!僕の天才ケンケンパ
キラキラと輝くケンケンパコース。端末にて自分でコースをつくり、みんなに遊んでもらうことができたのでした。
つくる!僕の天才ケンケンパ / Create! Hopscotch for Geniuses | teamLab / チームラボ
つながる!積み木列車
色の違うたくさんの積み木。それぞれが繋がって道や川をつくり、互いの間を乗り物が行き来します。自分や他の子が積み木を動かすと、町自体が変化するのです。
Connecting! Train Block | teamLab / チームラボ
小人が住まうテーブル
小人たちが手に飛び乗ってきたり、お皿などをかざすといちごが増えたり目玉焼きが焼けたりといろんなギミックがあるテーブル。火が燃え広がるとハラハラしました。
小人が住まうテーブル / A Table where Little People Live | teamLab / チームラボ
まだ かみさまが いたるところにいたころの ものがたり
象形文字を触るとそれが具現化されるという、楽しくて勉強にもなるアトラクション。全部の文字の具現化を試したくなるほど、ダイナミックで綺麗な映像表現でした。
まだ かみさまが いたるところにいたころの ものがたり | チームラボ/teamLab
お絵かきタウン・ペーパークラフト
描いた絵(塗り絵)をスキャンしてもらうと、大画面に出現して動きます。
いくつかテーブルがあるも、どこも人でいっぱい。私たちも大人ながらがっつり遊んでしまいました。
妻に、UFOにフェレットさんたちを描いてもらいました。
専用のスキャナーですぐ取り込んでくれます。
取り込んだらすぐに画面に現れました。自由気ままに動き回ってどこかに飛んで行きました…。
さらに、描いた塗り絵をなんと立体のペーパークラフトに変換してくれます。
こちらも専用のスキャナーで読み込むと…!
こんな感じで、切って組み立てられるペーパークラフトになりました!フェレット4匹に増えた!
コンセプトについて
作品だけでなく、その意図・コンセプト紹介のパネルもたくさん。印象的だった内容を紹介します。
超主観空間とデジタルアート
「超主観空間」は、デジタルアートの、作品に参加し体感すること、つまり作品が人々のふるまいによって自由に変化することや、人々が空間の中を自由に歩き回りながら作品を体感することに対して、大きな可能性を持つ。
鑑賞者は、一点にじっと立ち止まって作品を鑑賞する必要もなければ、鑑賞している間に隣の人を邪魔だと思う必要もない。そしてアートは、そしてアートは、その魅力を維持したまま人びとの参加によって変化することもできる。鑑賞者もアート自体もより自由になれる。
アートは、テクノロジーと融合することで(例えば油彩画のように)「鑑賞する」だけのものではなくなってきました。「体験型」のアートは多くあれど、デジタルの、そしてこのteamLabさんの展示では特に顕著です。
鑑賞者とアートが一体になる。鑑賞者が動くとアートも動くように、互いに連動する。または、鑑賞者がじっくり見ようとしても、アートはそれに左右されず変化を続ける…。「考えさせられる」「気づきを与えてくれる」など鑑賞者の主体的な働きかけ(思考の範囲)にとどまらず、アート側からより深い未知の体験や感覚を与えてくれる。そんな「アート」がどんどん発展していくのはワクワクしますね。
共同的な創造、「共創」
(省略)人間は、自由な他者とともに、身体を動かしながら身体でものを考えています。そして人間は、他者とともに創造的な活動によってこの世界を創ってきたのです。共創の体験こそが、今、人々にとって非常に大事なのではないかと考えています。
チームラボのアートの「人々の関係性を変化させ、他者の存在をポジティブな存在に変える」可能性にフォーカスを当てることによって、往々にして個人的になりがちな個人的になりがちな創造的な活動を、他者と互いに自由なまま、共創的な活動に変えることができるのではないかと考えているのです。
「人々の関係性を変化させ、他者の存在をポジティブな存在に変える」…まさに、現代で必要とされているテーマであり、教育の現場にも欠かせない視点ですよね。それをデジタルの力で実現化して成立させているteamLabさんの凄さ。そういう意味でも体験の価値がありますし、何らかの形で広く普及してほしいアートだとも感じました。
おまけ
科学館の常設展も色々と楽しめました。家族連れには本当おすすめ。
プラネタリウム、放電ラボ、極寒ラボなどチケット・整理券が必要なコーナーも。それ以外も遊べて勉強にもなる展示が大量にあります。
しかし!名古屋市科学館でのteamLabさん展示は明日まで…。都合の良い方は是非足を運んで見てください!